従来の農業は、収穫量を増やすことや美味しさのみを追求するため、窒素・リン酸・カリの三大要素だけを重視した肥料を使い続けてきました。そのため、土壌はミネラル不足となり農薬や肥料を使っても病気が治りにくく、収穫量も減少し、香味までも落ちていました。そこで、農薬の散布回数を減らし、肥料の施肥量も調整するためには、生育ステージごとの養分欠乏と病害虫の発生との因果関係を知り、お茶の免疫力を高めることが必要です。そこには土壌pHや降雨量、気温、日照量、剪定なども関わってきます。
土壌の状態を調べたうえで、物理性や化学性の改善をはかり、根の養分吸収量力をたかめることが病害虫を未然に防ぐことの第一歩です。病害虫が発生してから農薬で対処するだけではなく「その前に出来ること」を行うことが「予防農業」です。八女茶土づくり研究会の武田健先生より、理論と対策を学ぶことで健康なお茶づくりを実践しています。
お茶の「生きる力」を最大限に引き出すために、斎藤茶園では、「生体エネルギー技術」を採用しています。
この技術は、長野県東御市にある生体エネルギー研究所の佐藤政二所長が50年以上にわたって研究し、理論化し、実践してきた技術です。農業者である彼は、連作障害の克服をきっかけに生体エネルギーを発見しました。連作障害とは、同じ農地で同じ作物を栽培し続けていると、やがて作物が育たなくなるという現象です。これは、現代科学で土壌を分析し、足りない肥料などを補っても発生するため、佐藤所長はそれだけではない「何か」が足りなくなると考え、その「何か」を「生体エネルギー」と名付けました。 「土」という環境(生態系)を良くすることにより、生体エネルギーを補給すると連作障害がなくなり、さらにエネルギーを追加すると農作物の成長が促進されたことから、彼は生体エネルギーが植物本来の生きる力を機能させることに気付きました。
今では、斎藤茶園を始め、日本全国で農業者がこの技術を採用し、様々な農産物が生産されています。
農業の基本である土作りでは、有機物に加え、鉱物、金属、塩類、水等の無機物も使いこなさなければなりません。つまり、よい農作物をつくるには、ありとあらゆるものの能力を上げる必要があります。
人間や動植物には個性があり、よい環境に置かれれば能力が上がります。生体エネルギー技術は、それと同じことを有機物や無機物にまで応用することに成功し、今では、さまざまな業種でこの技術が採用されています。斎藤茶園でも、製茶工場のさまざまな工程でこの技術を活用したお茶づくりを行っています。水、蒸気、風、電気、そして、工場自体の環境にも、生体エネルギー技術を使っているから、我々にしかつくれない「やさしさがどこまでも伝わるお茶」 ができあがりました。